2020年の企画
箱根菜の花展示室、2020年の企画
6.13.sat.〜6.21.sun. 井上有一の書
7.18.sat.〜7.26.sun. 黒田泰蔵の白磁
10.10sat.〜10.18.sun. 津田千枝子の型染めと帯
会期中は水曜日休館です
上記会期以外はcloseとなります
真木千秋 糸から生まれる世界
真木千秋 糸から生まれる世界
は、会期を終了致しました
縦糸と横糸の織りなす色の世界は、光や角度でその都度風景を変えて見せてくれました
繭の中で蚕がはき続けた揺らぎそのままの糸で織られた作品は、布というよりも、糸そのもの、美しい色の滝のようでもありました
何人ものお客様がこれは見なければわかりませんね
と、感嘆されていました
真木さんの作りたかった世界
糸がなりたい形になるように
絵を描くように織った布
その一端をお見せする機会をいただいたことに、深い感謝の気持ちでいっぱいです
箱根は、通行可能区間が延びました。営業再開している観光施設も増えています。
会期変更のお知らせ
箱根菜の花展示室にて開催中の
真木千秋 糸から生まれる世界 は、
10月15日まで会期を延長いたします。
菜の花暮らしの道具店で開催中の
実りの秋 maki textile studio 展は
10月17日まで、会期を延長致します
2会場での真木さんの美しい布を、ぜひご覧ください
真木千秋 糸から生まれる世界
2019年10月5日.土―10月14日.月祝
Open11:00―17:00/定休日 9日
作家在廊日 5日、6日
菜の花暮らしの道具店 同日開催
箱根菜の花展示室にて
① 真木千秋さんお話会
10月5日(土) 13:00−14:00
布の展示を前に、真木さんに新しい取り組みについてお話を伺います。
スペシャルゲスト 石垣昭子さん、真砂三千代さん
参加費/500円
菜の花暮らしの道具店にて
② 真木テキスタイル スタジオの田中ぱるばさんによる
デジタル紙芝居と真木千秋さんのお話
10月5日(土) 16:00-17:00
インドのganga maki工房での制作風景などのお話映像会です。
映像を見たあと、真木さんにお聞きになりたいことなどをお話し下さい。
参加費/1,200円 (コーヒーとお菓子付)
①②とも、お申込みお問い合わせは…
菜の花暮らしの道具店(0465-22-2923)までお願い致します。
気がついたら織物づくりをはじめてから30年もの月日が過ぎていました。
アメリカの美術大学では自己表現を追求し、自分の中にある日本という国で生まれ育ったことで培った素材や色への繊細さ、また自然の力と美しさに惹かれ続けていることも感じました。
卒業後は、手紡ぎの布を求めて海外や日本の各地を訪ねました。暮らしの中で生まれた染め織りの美しさ、たとえばアフリカの織物や、アジアや中南米の国々で、名も無い織り手が生まれてくる子供のために織った布などに、何よりも魅了されました。
染め織りは暮らしの中から生まれてこそ美しく、人をも守るものになるのだと考えました。自分を力強く優しく包んでくれるような織物をつくりたいと、毎日つくり続けてきました。世界の染め織りがまだ暮らしの中に残っているところ…と歩いているうちに立ち止まったのがここインドでした。
手の仕事が当たり前のように暮らしにある、手から学ぶ知恵….何度もどってきても今でもまだ学ぶことが日々あります。
約10年前に仲間達と、それまでのデリーから北インドのヒマラヤの麓ウタラカンド、リシケシの山里に来ました。自然素材だけで全て手作業で工房作りを始めたのです。そして、4年半の月日をかけて、3年前にganga maki 工房が出来上がりました。建物を作るのと同時に、畑を耕し、たくさんの染料植物を植えて、今では収穫に忙しくなりました。
工房では手つむぎを中心とする絹、麻、木綿、ウール、苧麻や芭蕉…..いろいろな繊維を使っていますが、地元で育つ繭から手でずり出す糸づくりも最近では毎日の仕事になり、苧麻や芭蕉も糸にすることができるようになりました。工房で収穫するインド夜光木、インド藍、ヘナなど自然の色で染め、独自の織物を作っています。
工房の設計をし、何年も工房づくりを共にした、スタジオムンバイの建築家のBIJOY JAINが、出来上がった後に言いました。
「とにかく好きなことをおもいっきりやり続けてほしい。」
その言葉で私はハッとしました。そうだ、使うという強度や用途を考えず、絵を描くように一枚一枚違う織物を作ってみよう。糸の素性を感じ、糸と糸が織り重なり、できるだけなりたい形になるように、と思いました。
さて、と手に取った糸は、やはり繭から手でずり出した、一本一本違うごつごつした表情豊かな糸でした。昔から手で紡がれ続けてきた野生のタッサーシクルの一番太い糸など大好きな糸を自由につかってみました。
そんな時にちょうど菜の花の高橋台一さんから菜の花展示室で展示をしないかというお声がかかり、なんだか不思議なほどタイミングがよく、展示させていただけることになり本当に嬉しく思っています。
インド、リシケシにて、 真木千秋より
僕もちょうどオープンの頃にインドのganga工房を訪ねて、布を生む新しい共同体が生まれているんだなと、肌で感じた。一本の糸から生まれる摩訶不思議な世界である。
今回、長さ3メートル以上の布や、裂き織りの大きな布など、日本国内では初めての発表となります。
ぜひ多くの方に見て頂きたい。販売しますので、その布を生かして使っていただければと思います。
同時開催にて小田原駅地下街にある、菜の花暮らしの道具店では、真木テキスタイルスタジオのストールや、衣服を展示、販売します。
2019年9月13日十五夜に 髙橋台一
真木千秋 糸から生まれる世界
2019.10.5-10.14
気がついたら織物づくりをはじめてから30年もの月日が過ぎていました。
アメリカの美術大学では自己表現を追求し、自分の中にある日本という国で生まれ育ったことで培った素材や色への繊細さ、また自然の力と美しさに惹かれ続けていることも感じました。
卒業後は、手紡ぎの布を求めて海外や日本の各地を訪ねました。暮らしの中で生まれた染め織りの美しさ、たとえばアフリカの織物や、アジアや中南米の国々で、名も無い織り手が生まれてくる子供のために織った布などに、何よりも魅了されました。
染め織りは暮らしの中から生まれてこそ美しく、人をも守るものになるのだと考えました。自分を力強く優しく包んでくれるような織物をつくりたいと、毎日つくり続けてきました。世界の染め織りがまだ暮らしの中に残っているところ….と歩いているうちに立ち止まったのがここインドでした。
手の仕事が当たり前のように暮らしにある、手から学ぶ知恵….何度もどってきても今でもまだ学ぶことが日々あります。
約10年前に仲間達と、それまでのデリーから北インドのヒマラヤの麓ウタラカンド、リシケシの山里に来ました。自然素材だけで全て手作業で工房作りを始めたのです。そして、4年半の月日をかけて、3年前にganga maki 工房が出来上がりました。建物を作るのと同時に、畑を耕し、たくさんの染料植物を植えて、今では収穫に忙しくなりました。
工房では手つむぎを中心とする絹、麻、木綿、ウール、苧麻や芭蕉…..いろいろな繊維を使っていますが、地元で育つ繭から手でずり出す糸づくりも最近では毎日の仕事になり、苧麻や芭蕉も糸にすることができるようになりました。工房で収穫するインド夜光木、インド藍、ヘナなど自然の色で染め、独自の織物を作っています。
工房の設計をし、何年も工房づくりを共にした、スタジオムンバイの建築家のBIJOY JAINが、出来上がった後に言いました。
「とにかく好きなことをおもいっきりやり続けてほしい。」
その言葉で私はハッとしました。そうだ、使うという強度や用途を考えず、絵を描くように一枚一枚違う織物を作ってみよう。糸の素性を感じ、糸と糸が織り重なり、できるだけなりたい形になるように、と思いました。
さて、と手に取った糸は、やはり繭から手でずり出した、一本一本違うごつごつした表情豊かな糸でした。昔から手で紡がれ続けてきた野生のタッサーシクルの一番太い糸など大好きな糸を自由につかってみました。
そんな時にちょうど菜の花の高橋台一さんから菜の花展示室で展示をしないかというお声がかかり、なんだか不思議なほどタイミングがよく、展示させていただけることになり本当に嬉しく思っています。
インド、リシケて、 真木千秋より
僕もちょうどオープンの頃にインドのganga工房を訪ねて、布を生む新しい共同体が生まれているんだなと、肌で感じた。一本の糸から生まれる摩訶不思議な世界である。
今回、長さ3メートル以上の布や、裂き織りの大きな布など、日本国内では初めての発表となります。
ぜひ多くの方に見て頂きたい。販売しますので、その布を生かして使っていただければと思います。
同時開催にて小田原駅地下街にある、菜の花暮らしの道具店では、真木テキスタイルスタジオのストールや、衣服を展示、販売します。
2019年9月13日十五夜に 髙橋台一
箱根菜の花展示室 足柄下郡箱根町湯本351-2 0460-83-8166
11:00-17:00 水曜定休
菜の花暮らしの道具店にて同時開催
実りの秋~maki textile studio~
小田原市栄町1-1-7 ハルネ小田原内 0465-22-2923
10:00-20:00 会期中無休
開催イベント
① 箱根菜の花展示室にて 真木千秋さんお話会
10月5日(土)13:00-14:00
布の展示を前に、真木さんに新しい取り組みについてお話を伺います。
スペシャルゲスト 石垣昭子さん、真砂三千代さん
参加費500円
② 菜の花暮らしの道具店にて 真木テキスタイルスタジオの田中ぱるばさんによる
デジタル紙芝居と真木千秋さんのお話
10月5日(土)16:00-
インドのganga maki工房での制作風景などのお話映像会です。映像を見たあと、
真木さんにお聞きになりたいことなどを、お話し下さい。
参加費1200円(コーヒーとお菓子付)
お申込み、お問い合わせは
0465-22-2923(菜の花暮らしの道具店)までお願い致します
牧山 花・夏ころも 2019年4月6日.土―4月21日.日
2019年4月6日.土―4月21日.日
Open11:00―17:00/Close10日(水).17日(水)
作家は全日在廊です。
「牧山花と髙橋台一のお話し会」
テーマ「夏ころも」
4月13日(土)15時より 参加費 1,000円(お茶とお菓子つき)
牧山花さんと出会って10年近くが経った。
5年前、染の津田千枝子さんの企画の時に会って、「作品を見せて下さい。」と言ったら、3本の反物の夏ころもを持って現れた。それを見た私は、花さんの織りのもつ深さと透明感に「おそろしい。」と発言したという。覚えていないが、それからその日の深夜まで12時間も話し込んだらしい。以後、年に12本織る内の3本ずつを買い取ってきて、4年が経った。
12本の夏ころもが揃った。そして花さんの10年間の集大成として、織った反物の記録として残してきた小巻の100本で、大きな展覧会ができることになった。それが今回の企画です。
まずはじっくり見てほしい。花さんにしかできない、織りをアートに昇華させる力をもっている。
花さんから制作のコンセプトが届いた。
一本の線を引く。
心がざわざわと動き始める。
その線の存在のゆらぎを追っていったら
無数の交点が交わる布の世界に入り込んでいました。
ミニマムとも思える
たてとよこの線の交わりの中で
どれだけのゆらぎと出会い
表出させることができるか
それが、常に思い続けていることです。 牧山 花
花さんが織りを夏ころもだけに限定してきたのはなぜかも含め、
花さんの織りの根本が何であるか?
私も話しの中で深めていきたい。ということで、お話し会を企画します。
ぜひご参加下さい。
2019年3月9日 店主 たかはしたいいち。
井上有一の書 2 01 9 年 1 月 1 2 日 . 土 ― 1 月 2 0 日 . 日
2019年1月12日.土―1月20日.日
Open11:00―17:00/Close16日(水)
今日は、京都から経師屋さんが井上有一の書「花」を届けて下さった。横2.4メートルという大きなもので、一年がかりであった。開いてみると、神々しく、新鮮だ。今書いたもののように感じられて嬉しくなった。 和室の部屋にはこの一点で充分であった。井上有一の書は、どんなものも光ってくる。 この夏、空海を求めて中国の西安に行ってきた。 西安は唐の時代長安と呼ばれていて、安禄山の乱が起こった所でもある。楊貴妃、玄宗皇帝、そしてその部下に顔真卿がいた。その顔真卿の石に刻んだ書を見てきた。 井上有一は、顔真卿の書と対決するために、大きな字を書くことで挑んでいた。 金沢の21世紀美術館で見た、井上有一の顔真卿の臨書は、円形の会場全体を使い迫力があった。それを死ぬ3年前に書いている。顔真卿を手本に書いたものと、自由闊達に書いたものとの二種類ある。 自分は有一と空海は繋がっていると思っているのだが、どうだろう。 今回は顔真卿の臨書2点も加え展示します。是非お越しを。 2018年12月24日 店主 たかはしたいいち。
黒田泰蔵の白磁
2018 年 10月12日. 金― 10月17日. 水
O p e n 11:00 ―17:00 会期中無休
円筒は轆轤で創る最も単純な形体、単純な形体ゆえに、私の個人的な個性を探し出せる 個性は個性を消し続けることによって新たに生まれてくる 単純な形体、簡単なこと、より難しいことに出会える 思考の翻訳、心象風景のスケッチ、記憶の記録 使うためではない、器 人だけが神を必要として神を創り出した 神に近づくための道具 「黒田泰蔵 白磁へ」 より引用
黒田泰蔵略歴 1946年 生まれる 1966年 カナダの陶芸家ゲータン・ボーダン氏の元で陶器作りを始める その間、益子の陶芸家島岡達三氏の元で勉強 1975年 カナダの製陶会社SIALにデザイナーとして勤務 1978年 カナダケベック州セイント・ガブリエルにて築窯 1981年 帰国、伊豆松崎町にて築窯 1991年 伊豆伊東市にて築窯 各地にて個展開催 現在に至る 2001年 作品集 “White Porcelain” amus arts press 2015年 作品集 TAIZO KURODA white porcelain 求龍堂 発行菜の花文庫
津田千枝子型染めの布と帯
2017年10月21日.土 ― 10月29日.日
作家在廊日 21日.22日.23日.28日.29日
Open 11:00 ― 17:00 / Close 25日(水)
・僕は4年ほど前、津田千枝子さんにミャンマーへ連れて行ってもらった。ハスの布はインレー湖だけで作られています。彼女は2年に一度そこへ行き、かれこれ15年くらいになるそうです。そこでの彼女は、日本よりも元 気でパキパキしておられるように感じました。そしてこの秋、津田さんの東 京のアトリエに行きました。 作品からはどこか几帳面なところが感じられますが、アトリエは、「ここが仕事場?」と思うくらい、いろいろなものがある中、無地の素材がでんと構えて、布に包まれているようで、ほっとできた。また、僕が入れるくらいの、ステンレスでできた藍の大壺が、地面に埋められていた。洗った布を干せる空間もあった。風景としてはしんどいものを感じさせないものだった。いろいろな布に型染めされている中で、僕が一番気に入ったのは、やはりハスの布。一見、何ともない ような、何年も経ったかのようにも見える布が、この人の手にかかると蘇る。良い柄の藍に染まってとてつもなく良かったのです。
2017年10月4日 菜の花店主・たかはしたいいち
津田千枝子プロフィール
1974 東京藝術大学 日本画科卒業 在学中から型染を始める
1979―1980 ニューヨーク在住
1987 ―2003 毎年ヨーロッパの中世 美術などを訪ね歩く
2005 インドラジャスタンの工房にて木版染めを行う (以後毎年)
青山八木にて帯展 (以後毎年)
2010 うつわ菜の花にて個展
2014 箱根菜の花展示室にて個展
毎年各地にて個展
井上有一の書
2017年1月7日. 土 ― 1月15日.日
Open 11:00 ― 17:30/Close 11日(水)
あけましておめでとうございます。
僕が井上有一の書に出会ったのは31年前。
かねてから呼ばれていた俳人の永田耕衣に
初めて会いに須磨まで行き、井上有一の書がすごかった。
それは「花」という文字だった。野口英世の母の書が、
中学の頃から好きで、会津まで見に行ったことを、
強烈に思い起こさせるできごとだった。
最初に手にしたのは、渋谷のPARCOで
小さな力を抱きかかえているような「花」を手に入れた。
「貧」と「花」、「上」と「母」「一匹狼」と
「菜の花」、「夢」と「花下草上」など、この30年
出会ったものを大事にしてきました。
ぜひそれを、年の初めに皆様に見ていただきたい。
そして今年はもう一回、井上有一の亡くなった
6月15日から、有一の企画展をします。
2017年が、みなさまにとってすばらしい年になりますように
店主 たかはしたいいち。