藤井勘圿のマシラ
2016年3月19日.土 ―3月27日.日
在 廊日/ 3月19日.20日.21日 定 休日/3月23日
『マシラは日本猿の古語です。大昔、まだ神様がおられた時代に山の道案内をしたと聞いています 。』 勘圿さんは平成3年から岩田山にのぼり猿をかきつづけます。24年たったのです。マシラは120頭ちかくいるそうです。
そして 、マシラという本を2016年1月1日に出す 。『絵は一生をかけて成す物。こつこつやろうと決めました。売るものでもなく見せるものでもなく飾るものでも無く、自分の充実のためでした。』と勘圿さんは書く。『書家の井上有一は、たくましきは一匹狼にあらず、悲壮なるも一匹狼にあらず、一 匹狼はさみしきものなりと言いました。本当に良く分ります。私はその上に忙しきものなりです。個展をたくさん入れて一年間に百点もの作品を描き続けました。誰が絵 をかかせたかは未だ分りませんが私に絵があって本当に良かった。』
私は勘圿さんがひかれたものに心ひかれるのです。椿であり、蓮であり、そしてマシラ。その洞察力の深いこと。それは描く人に魅力があるのです。 自然の中で描くため、紙は破れ、雨や雪にたたかれ、リュックをあければカビにやられてすごいことになって想像を絶する現実をみて感動させられることを味わいなが ら、でもその自然の中だけでしか描けない世界をもつしかないのです。
『 』内の文章は、藤井勘圿画集マシラより抜粋 2016.2.29 高橋 台一