黒田泰蔵展 KURODA TAIZO
2012 10.27 Sat. ― 11.4 Sun.
Open11:00 ―17:30/Close31. Wed
作家在廊日27日(土)
轆轤と出会った頃から「円筒」と言う言葉が、僕の心から離れた事はなかった。その事がここ数年、日増しに強くなり、「脳の命令」と自分で呼んでいた。日常と非日常との平衡を保つため、今、僕は円筒を創る事が必然なのです。
黒田さんは今回、展示にあたって、シリンダーについて上記のように語った。ちょうど12月2日まで東京国立近代美術館工芸館「工芸をめぐる11の思考」で、シリンダー9点を展示している。当展示も急遽、現在直下の黒田さんの意思に呼応した。作陶をはじめて45年。この20年ひたすら白磁に挑んできた。そして今、基本の基本的カタチ、シリンダーに心をこめ、たゆまず、没頭して、自分の全てを注いでいる。その抑制された表現に、痛々しさ、刺すようなするどさを感じさせることはない。すっと立ち上がる姿形は、いま生きている私たちに、精神性の高さ、可能性や、明るさを与えている。自然体に至るこの数年の体験が、普遍性への高みへと押し上げた。ロクロを引き続けること、海をみおろす自邸の庭づくり。ロクロを動かすその作業が心を鍛え、いままでの作為をものともせず、両の手におさまるカタチにまで調和をみたのである。みえてくるのは、この世のものとは思えない、深い呼吸がはきだす、かすかによせる波のようなロクロの線の美しさである。
2012.10.10. 菜の花店主・たかはしたいいち
展示室リーフレットはこちらよりダンロードできます。(PDF2.1mb)
黒田泰蔵略歴
1946年 生まれる
1966年 カナダの陶芸家Geatan Beaudin (ゲータン・ボーダン)氏の元で陶器作りを始める その間、益子の陶芸家島岡達三氏の元で勉強
1975年 カナダの製陶会社SIALにデザイナーとして勤務
1978年 カナダQuebec,St.Gabriel (ケベック州セイント・ガブリエル)にて築窯
1981年 帰国、伊豆松崎町にて築窯
1991年 伊豆伊東市にて築窯 各地にて個展開催 現在に至る
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